事例紹介

事例02:インベスター・リレーションズ

インベスター・リレーションズ(IR)は、投資家に有効な判断基準を提供していくPR・広報活動といえます。上場企業にとってIRは、株主、投資家およびファイナンシャル・コミュニティなどと相互に友好な関係を構築、維持させるものであり、パブリック・リレーションズ活動の一部となります。したがって、インベスター・リレーションズのターゲットとなるパブリックとしては、以下のグループがあげられます。

  • 既存の株主と潜在株主
  • 投資家(機関投資家/一般投資家)
  • 証券アナリスト
  • ファンドマネジャー・投資顧問
  • 財務省・金融庁・証券取引委員会・証券取引所

経済のグローバル化で国際的な企業間競争が激化していますが、最近は企業を取り巻く環境変化も著しいものがある。たとえば、時価会計やキャッシュフロー会計の導入、M&A(企業の買収・合併)の活発化、企業間の株式持ち合いの解消、外国人投資家の台頭などに加え、近年ではインターネットを利用した個人投資家が急増しています。こうした流れの中で、インベスター・リレーションズは急速に注目されるようになり、その重要性は非常に高まってきています。ここではM&A事例を紹介します。

M&A事例

2008年に独マインツ市に拠点を置く国際的テクノロジー企業S社が、東京に本社を置く東京証券取引所(TSE)一部上場の日本企業(M社)の株式の過半数取得に向けて株式公開買付け(TOB)を行った際の事例です。

M社は、従業員約450人を擁し、売上高は1億ユーロを超え(当時)、工業用画像処理向けの光学システムをはじめ、発光ダイオード(LED)と光ファイバをベースとする照明システム分野における国内大手企業。

一方、独S社は光ファイバの伝送ケーブルやイメージガイドの世界最大のメーカー。同社の一事業部門である「ファイバ・オプティクス事業」部門は、米国、メキシコ、チェコ共和国やドイツにある製造拠点、および東京の営業所に約730人のスタッフを擁していました。同社のファイバ・オプティクスやLEDテクノロジーに基づくカスタマイズされたハイテク・ソリューションは、自動車、照明、医療、工業製品および建築市場に広がっていました。

目標の設定

オプティカル画像処理や照明システム分野における国際市場での競争の激化、さらには光ファイバ・システムからLEDベースのソリューションへの置換が進行している中で、独S社とM社は提携強化により国際競争力を高め、着実な成長を可能にすることが目標として設定されました。

実行計画

今回の公開買付けにおいて独S社はM社の株式の過半数(50%超)獲得を友好裡に目指すこととした。そのため独S社は、本公開買付けにあたって、まず独立したファイナンシャル・アドバイザーとなるS証券会社を選定し、投資家にとって望ましい買付価格を設定。

「M社株式に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」を証券関連ネットワークやメディア・リレーションズを中心に告知。公開買付けの結果、予想を上回りM社の株式の70.8%を取得することとなりました。また、M社は東京証券取引所第一部に上場も維持されました。

これにより当初の目標であった両社の業務提携関係をよりいっそう強化され、市場と顧客に対して、両社のパートナーシップの成功を示すことができました。