井之上パブリックリレーションズは、PR会社として1970年創立以来パブリックリレーションズ活動を通して、時代、時代に応じた重要な産業の発展に関わってきました。お陰様で2025年7月に創立55年を迎えます。この間の私たちの活動は時として閉鎖的な日本市場を開放することであり、自由で公平な市場経済を実現させることでもありました。また私たちは、バブル経済崩壊後の日本の産業経済の復活と持続的成長のために、パブリックリレーションズの力を傾注することで一定の役割を果たしてきたことへの自負とともに、日本の発展に微力ながら貢献できたことに喜びを感じています。
パブリックリレーションズには、従来の広報の概念とは異なった、目標達成のために、組織体が内外で関わるさまざまなパブリック(ステークホルダー)との広範なリレーションズ活動が求められます。
また、パブリックリレーションズは第5の経営資源ともいえます。これまでの経営資源である、「人」「モノ」「金」「情報」をそれぞれ強化し、強化された個々の経営資源の統合をおこない最大限の効果を発揮させるからです。つまり「人」では個人を強くし、「モノ」にはブランディングを通して付加価値を与え、「金」では資金を有効活用、あるいはIRなどで新たに調達、「情報」では双方向性コミュニケーションにより、静的なものから効果を生み出す動的なものへと変化させます。加えて、これらの4つの強化された個々を統合し有機的に機能させることで、最大限の効果を発揮し、最短距離での目的達成を可能にします。パブリックリレーションズの本来もつ戦略性に加えて情勢分析、危機管理などの機能と技術を有し、継続性を持った「攻め」と「守り」を兼ね備えた強固な手法です。混沌とした今の時代にこそ経営と連動した新たな経営資源として位置付け、戦略的に経営に取り込むことが重要になっていると思います。
近年、日本の組織体が内外で引き起こす様々な不祥事も露呈しています。繰り返されるこれらの不祥事を分析すると、多くの場合、危機管理技術を抱合するパブリックリレーションズが組織体に本格的に導入されていないことに起因していると私たちは考えています。パブリックリレーションズは「倫理観」「双方向性コミュニケーション」に支えられた「自己修正能力」と「継続性」を伴った手法で、民族や文化、言語、宗教、国境を超えてステークホルダーとのリレーションシップ・マネジメントを実践するグローバルビジネスの基盤となるものです。
インターネット、SNSの普及そして生成AIなどのテクノロジーの発展などにより急速に進むハイパー・グローバリゼーションの中で、同じ地球上で同時進行する経済開発と環境破壊、人口爆発と少子化、異文化の受容と排斥などさまざまな難しい社会課題が山積しています。世界で紛争や戦争が続き、また国際的な経済秩序が崩壊の危機に直面するなど、我々の日常生活へ深刻な影響を及ぼしています。そして企業にあっては、米新政権による新しい国際経済の枠組みへの対応など、新たなグローバル化にどのように対応するのか、激変する経営環境の中でこそ、外部環境の変化を読み取り戦略構築を行うパブリックリレーションズの役割が問われています。
私たちはパブリックリレーションズのコンサルティング会社として、顧客の皆様へ最先端のPRストラテジーを提供し、そこで得た知見を研究・教育現場(日本パブリックリレーションズ研究所)で理論化・体系化することで「理論と実践」を両輪とした企業集団として、今後も社会の発展のために邁進して参る所存です。
「失われた30年」を乗り越え、輝かしい未来を実現するために、顧客の皆様と共に歩んでまいりたいと思っています。
株式会社 井之上パブリックリレーションズ
代表取締役会長兼CEO 博士(公共経営)
井之上 喬
「昭和100年」「戦後80年」の節目の年となる2025年、井之上パブリックリレーションズは創立55周年を迎えます。
当社は1970年の創立以来、「倫理観」「双方向性コミュニケーション」「自己修正機能」を基盤としたパブリックリレーションズを、国内外の企業や団体とともにグローバルに実践してきました。
現在、私たちは前例のない変化の時代を生きています。価値観が大きく変わりつつある中、明確な羅針盤がないまま次の時代へと進もうとしています。
企業価値の考え方も変化し、従来の株主重視の姿勢から、さまざまなステークホルダーとの良好な関係を築きながら、社会から信頼され持続可能な企業になることが求められています。
このような時代において、地球規模で社会課題解決に取り組む手法であるパブリックリレーションズの役割は、これまで以上に重要になっていると確信しています。
パブリックリレーションズに求められる活動も広がりを見せています。従来重視されてきた報道機関との関係構築(メディアリレーションズ)に加え、従業員とその家族を対象に関係やエンゲージメント強化を行うエンプロイーリレーションズ、投資家や株主への適切な情報開示のためのインベスターリレーションズ(IR)、公平で新しい市場創出やルールメイキングに向けた行政との関係構築(ガバメントリレーションズ)、そして緊急時に備えた危機管理広報などへのニーズが高まっています。
当社は、これまでの経験と知見を活かし、こうしたパブリックリレーションズへの新たな期待にも迅速に対応しています。
井之上パブリックリレーションズは「理論と実践」を重視し、本質的なパブリックリレーションズを実践するユニークな存在であると自負しています。パブリックリレーションズのコンサルティングを基盤とするこれまでの経験と実績に加え、今後は「イノベーション(革新性)」と「サステナビリティ(持続可能性)」をキーワードに、ステークホルダーの皆さまに信頼される企業として業界をリードする存在となるべく、さらに進化を続けてまいります。
これからも、井之上パブリックリレーションズのミッションである「パブリックリレーションズを通じた、平和で希望のある社会づくり」の実現をめざします。
株式会社 井之上パブリックリレーションズ
代表取締役社長兼COO
鈴木 孝徳
国際PR協会ゴールデン・ワールド・アワード グランプリをアジアで初めて受賞(1997年)