ニュース

当社会長の井之上が、欧州国際会議に登壇―日本の「失われた30年」の検証と国家経営改革をテーマに日欧有識者と議論

2026年3月6日から11日にかけて、当社グループ代表取締役CEOの井之上喬(京都大学大学院特命教授)が、英国およびポルトガルの学術・研究機関に招聘され、国際セミナーや会議において登壇の機会を得ました 。各地では、日本の「失われた30年」を多角的に検証し、再生に向けた「国家経営(Statecraft)」のあり方について、日欧の有識者らと深く議論を行いました 。再生に向けた核心的提言として、政治・行政における「解散権行使の制限」と、戦略的基盤としての「パブリックリレーションズ(PR)」による国家経営の正常化を強く訴えました。

3月6日:英ロンドン・大和日英基金でのパネルディスカッション

英ロンドンの大和日英基金において、パネルディスカッション「日本の失われた30年:国家経営の抜本改革への提言」が開催されました 。井之上は、日本企業が長期停滞に陥った根源的な要因として、歴代政権がマズローの欲求階層説における「安全の欲求(現状維持)」段階に止まり、国民の幸せを第一に考える上位段階に行きついていないと指摘。日本の中央政治では首相に解散権が与えられているために短命政権が続き、国家を経営する環境になっていないと問題提起しました。

これに対し、元英国産業連盟(CBI:日本の経団連に相当する英国最大の経済団体)会長のポール・ドレクスラー氏は、政府の行動力と経済発展の相関について日英の比較から分析を披露しました 。また、MM総研理事長の関口和一氏は、ソフトウェア投資の遅れによる「IT赤字」の現状を詳述 。元財務副大臣で英オックスフォード大学 政治国際問題学部客員研究フェローの藤田幸久氏は、説明責任の欠如が招く「Statecraft」の不在について警鐘を鳴らし、多角的な視点から解決策が探られました 。

3月7日:英オックスフォード大学にて「国家経営」の改革を提言

翌7日、オックスフォード大学政治国際関係学部(DPIR)で開催されたセミナーには、現地在住の英日研究者やジャーナリスト、国際NGOの専門家、大学院生などが集まり、専門性の高い議論が展開されました 。

オックスフォード大学評議委員会副会長のチャールズ・ハーマン氏が日本再生への期待を寄せる中 、井之上は再生の核心として「首相の恣意的な解散権行使」の制限を改めて提言しました 。首相の平均任期が英国4.5年、米国6.8年、ドイツ7.8年であるのに対し、日本の首相の平均任期が約2年(組閣毎では1.29年)と著しく短命で、現在の政治構造が説明責任の欠如を招いている現状に触れ、日本国憲法7条の首相の解散権を制限し、安定した政権基盤を確立することこそが、戦略的な国家経営の第一歩であると強く訴えました。

3月9日〜11日:ポルトガル・リスボンでの国際会議にて基調講演

欧州行脚の締めくくりとして、ポルトガル・国立リスボン大学で開催された国際学術会議「GSCC 2026 Conclave」に登壇。

井之上は基調講演で、複雑な利害関係を調整し変化に適応するための手法として、「倫理観」「双方向の対話」「自己修正機能」を柱とする「自己修正モデル(self-correction model)」を提示 。変化の激しい複雑化する社会にあって、個人や組織が目的・目標を達成するために、さまざまなステークホルダーとの関係構築を行うパブリックリレーションズ(PR)が、現在の日本において国家経営を正常化し、持続可能な未来を創造するための不可欠な戦略的基盤になり得ると論じました 。あわせて、当社グループ日本パブリックリレーションズ研究所(JPRI)の林永健も、日本の組織におけるPRの制度化と信頼構築について研究報告を行い、井之上が提唱する国家経営の指針を理論面から補完しました 。

理論と実践を通じて社会課題の解決へ

一連の議論を通じて井之上は、パブリックリレーションズを単なる広報手法としてではなく、多様なステークホルダーとのリレーションシップマネジメントを通して、社会や国家の健全な運営を支える「戦略的なガバナンス構築の基盤」として捉え直すべきであると一貫して発信しています 。

当社グループは、今回の欧州各地での対話を通じて得られた知見もふまえ、今後もグローバルなネットワークと連携しながら、日本のみならず国際社会の課題解決にパブリックリレーションズの観点から寄与する活動を続けてまいります 。


登壇・講演、講義、取材のご依頼は、問い合わせフォームより受け付けています。